アルミハンドルの材質
当社のアルミハンドルは日本(世界?)で唯一、ADC-5というアルミ素材を使って成型されています。
ADC-5はアルミの中でも錆びにくく、折れにくいという特性があります。
野ざらしにされるなど過酷な環境でも錆びたり折れたりしたら人命に関わるような重要部品、たとえばバイクのブレーキノブなどに使われます。
酸性雨などの酸化にも強いので、トップウォーター用のアルミハンドル素材としても最適な素材なのです。
反面、粘るので鋳造しにくく金型が傷む、機械加工がめんどう、高価、など製造コストはかかるのですが、あえてADC-5にこだわるのは以上の理由からなのです。
さて、現在作業中の3本爪ですが、もちろん爪部分の素材はADC-5です。
しかし、3つの爪を束ねるバネの部分は鋼材です。
その為、鋼材には腐食対策として銅下メッキを施し、その上にニッケルメッキと2重のメッキをかけてあります。
直接ニッケルメッキでも十分かと思うのですが、職人さん曰くやはり耐食性のためにも銅下メッキは外せないとのことです。
ちなみに3本爪の加工は都内の下町、元はバルサ〇〇の部品を作っていた工場に頼んでいます。
3本爪が収まるヘッド部分は特に水が溜まり易い構造になっています。
念には念をいれてのことなのです。
では、そんなに腐食が心配だったら、バネはステンレスにしたら?と思うかもしれません
確かにステンレスでしたら腐食には強いでしょう。
当社も考えたことがありました。
ところが一つ問題がありました。
電蝕という問題でした。
違った金属同士が触れ合うことでおこる腐食のことです。
特にアルミとステンレスは相性が最悪とのことでした。
個々には耐食に優れていても一緒になると、とんでもないことになってしまうのです。
知らずにやっていたらたいへんでした。
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